臨時増刊特集 日常役立つ診療技術
治療篇
18.輸液—腹水静脈還流法
島田 宜浩
1
,
湯浅 志郎
1
1岡山大第1内科
pp.2054-2057
発行日 1976年12月5日
Published Date 1976/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206955
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腹水の有無は,肝硬変症の予後を左右する重要な因子であるが,肝硬変症の腹水の大部分は,安静,食事療法や利尿剤の投与などで消失させうる.しかしながら,上記の治療に抵抗し,治癒し難い腹水を持った症例が存在し,難治性腹水といわれている.とくに,再度ないし再再度,貯溜した腹水は難治性となることが少なくない.
難治性腹水の治療として,腹水再静注法の試みは,目新しいことではないが,最近,各方面における肝疾患治療の進歩とともに,本法が再評価される気運にあるものと思われる.また,閉鎖回路で持続的に腹水を除去し,濃縮して静脈内に再静注する装置が開発され注目を浴びている.
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