診療手技のコツ
組織・細胞標本のとりかた
金子 仁
1
1日医大老研基礎部
pp.1835
発行日 1976年12月5日
Published Date 1976/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206909
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組織の採出の仕方は,当然ながら肉眼で病変部を確かめ,その部を採出する.できれば周囲の健常部もかけて取り出すのがよい.ことに皮膚科の生検の場合は必要である.
組織の大きさは大きいほどよいが,臨床医にしてみるとなるべく小さく,患者に苦痛を与えず,後始末も簡単にできるような取り方が最も好ましいに違いないが,病理側にとってはあまり小さくて診断のつけられない標本は,たいへん困る.中には標本を作れないほど小さい材料を提出されることがある.この時は「標本作製不能」と返事をしている.喉頭部や外耳道などの耳鼻科関係を除いて,小指頭大ぐらい以上の大きさが欲しい.
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