今月の主題 電解質異常のすべて
電解質異常の対策
熱傷
村松 正久
1
,
和田 米夫
1
1江東病院外科
pp.1538-1539
発行日 1976年11月10日
Published Date 1976/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206827
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熱傷による電解質異常とその対策を概説する場合,当然ながら,電解質異常をきたす熱傷とは重症熱傷を意味する.重症熱傷の際には生体の種々の変化が生じ,その程度も他の外傷にくらべ比較にならないほど著しい.したがって,熱傷により生体が受ける全般的な変化を把握してから電解質の異常を考えないと理解しがたい.重症熱傷では大量の輸液が必要であり,しかも受傷直後直ちに行われるのが理想的である.すなわち受傷の程度により経験的に算定された量を緊急に輸液するわけであり,したがって輸液をしつつ採血するということになり,検査結果の方がおくれることが多い.諸検査の結果ももちろん大切であるが,それに劣らず熱傷の程度の把握,他覚的所見,自覚的所見をひとつひとつ見落とさず対策を講じることが肝要であることを忘れてはならない.
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