特集 薬物療法マニュアル
Ⅰ.救急患者の薬物療法
8.外因による障害
熱傷
安瀬 正紀
1
,
千島 康稔
1
,
奥村 仁
1
Masanori ANZE
1
1横浜市立大学医学部附属浦舟病院熱傷センター
pp.90-92
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903787
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基本的な事項
熱傷,特に受傷面積30%,熱傷指数(burn index)15を越えるような重症例では治療期間は長期にわたる.病期も受傷直後から1週間前後の循環動態の不安定なショック期,ショック後期,多少の重複はあるものの,その後数週間にわたり壊死創が切除され,自らの皮膚で被覆されるまでの数回に及ぶ焼痂切除,植皮手術が行われ,局所の感染から全身性の敗血症に拡大する感染症対策に治療の全力が注がれる感染期,その後のリハビリテーション期,広範な瘢痕拘縮に対する再建手術期と多彩を極める.したがってその治療の目的,内容は各々の病期によって大きく異なり,系統的なマニュアルを提示することは困難となる.本稿では受傷直後から48時間前後の初療,ショック期の治療について述べることとする.
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