演習・X線診断学 消化管X線写真による読影のコツ・5
圧迫法について
熊倉 賢二
1
,
竹田 寛
1
,
梅本 俊治
1
1慶大放射線診断部
pp.679-685
発行日 1976年5月10日
Published Date 1976/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206569
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
いまや二重造影法が普及しすぎていますが,微細な病変をよくあらわすのに最もよい方法のひとつとして圧迫法があります,今回は圧迫法を取りあげてみました.
よい圧迫像をとるためには,十分検討しておかなければならない問題があります.まず,造影剤の量ですが,造影剤の量が多すぎると圧迫で病変(とくに微細病変)をあらわすことができなくなります.造影前の量が少ないと粘膜像になってしまいます.そこで,中等度充盈時の適当圧迫ということになりますが,造影剤の量は,個人差により,病変の存在部位や大きさ,それに検査体位によって違ってきます.立位で胃角部を圧迫するのでしたら200ml前後の造影剤が適当でしょう.やせた人の幽門前部や胃体部を圧迫検査するのなら,300mlぐらいの方がよいでしょう.腹臥位で圧迫検査するのなら,100〜200mlぐらいがよいでしょう.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.