診断基準とその使い方
ベーチェット病診断基準試案
吉田 赳夫
1
1福島医大第2内科
pp.534-535
発行日 1976年4月10日
Published Date 1976/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206524
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
1937年より1938年にかけて,イスタンブール大学皮膚科教授のHulusi Behçet氏は,3つの症状をそろい持った症候群を報告し,1つの疾患単位とすることを提唱した.これは,口腔内の数個のアフタと,陰部の潰瘍と眼の虹彩炎とから成り,これらが,幾年もの間,くり返し出没し,慢性の経過をとるというのであった.その後,多数の類似症例の報告があり,その異同,分類などにつき議論されたが,その原因は未詳である.ただ,これを1つの疾患として認めてゆくうちに,この症候群を呈するものの中に,同時に内臓諸臓器もまた,侵されるものが多くあることが知られてきた.そして今日では,ベーチェット病とは,全身性の多系統的疾患で,発作性に再発と増悪をくり返し,病理学的には血管病変,血管炎が共通して認められるものである,と考えられている.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.