研究・報告
体圧分散寝具選択基準(試案)の作成
在宅介護用品研究会
pp.748-754
発行日 1999年9月15日
Published Date 1999/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688902058
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はじめに
褥瘡の予防・治療には,その原因となる圧迫の除去,湿潤や摩擦・ずれの防止,栄養状態の改善などが必要である.除圧には,離床により座位姿勢をとることや臥床患者では体位変換が行なわれているが,組織耐久性の衰えた高齢者や,血流障害があり毛細血管圧の低下しているような人では,体圧分散寝具を用いて減圧をはかるとより効果的である.真田は,日本語版ブレーデンスケールを用いて採点した場合,比較的介護力のある総合病院では14点を褥瘡発生の危険点としており,体圧分散寝具選択アルゴリズムでは,可動性が2点以下になった時を体圧分散寝具導入の基準としている2).
体圧分散寝具には,材質別に,エアマットレス,ウレタンフォームマットレス,ウォーターマットレスなどがある.型式別には,厚型と薄型,一体成形型とエアセル独立型があり,機能別には,動力型と非動力型があり,動力型には静止型と波動型がある.また,エア噴出有型とエア噴出無型とがあり,これらの分類を図に示した.
体圧分散寝具は,褥瘡予防・治療用具として病院,施設,在宅でと広範囲に使用されるようになってきた.しかし,使用者にとって適正に選択されていないために,褥瘡予防・治療がうまくいかなかったり,寝心地が悪く不快な思いをしているなどの問題も生じている10)11).
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