今月の主題 内科医に必要な末梢血管病変の知識
主な血管病
閉塞性静脈疾患
古川 欽一
1
1東医大第2外科
pp.326-327
発行日 1976年3月10日
Published Date 1976/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206455
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末梢静脈の閉塞性疾患は動脈系のそれに比し,必ずしも致命的なものでなく等閑視されがちであったが,静脈血栓症,とくに腸骨大腿静脈血栓症は,本邦においても最近増加の傾向があり,肺塞栓のような重篤な合併症や難治性の静脈血栓後遺症などで治療に困難をきたす場合が少なくないので,改めて本症が再検討されてきた.とくに早期の静脈血栓症は血栓摘除術あるいは線溶,抗凝固療法によって劇的な改善が得られるが,慢性期に移行するとその治療効果も期待できないことから,早期診断,早期治療が本症に極めて重要な因子であることを強調したい.ここでは誌面の都合で,腸骨大腿静脈血栓症を中心としてその概略を述べる.
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