今月の主題 SLE—成因から治療まで
SLEの臓器症状
肺
御木 達也
1
,
堀内 篤
1
1近畿大第3内科
pp.1948-1949
発行日 1975年12月10日
Published Date 1975/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206341
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SLEの肺病変は特異的か
膠原病は血管結合織の病変が主体であるため肺や胸膜に変化が起こりやすい(ここでは胸膜病変も含めて述べる).たとえば,結節性動脈周囲炎(PN)は気管支血管炎を基礎とする血栓,硬塞,膿瘍が起こり,臨床上は胸痛,血痰,喀血あるいはX線像上外方へ向かう扇状陰影などが認められる.進行性全身硬化症(PSS)では全身の線維症の一臓器病変として肺線維症が出現し,びまん性あるいは部分的な線維化および結節状陰影,胸膜下嚢胞あるいは石灰化などが認められる.慢性関節リウマチ(RA)はびまん性間質性肺線維化像,結節状陰影などがみられ,組織学的には肺実質の線維化とリンパ球,形質細胞の浸潤が認められる.
これらの3疾患が示す臨床的,病理学的肺所見は非特異的であり,それはSLEの肺病変としても通用するものが多い.すなわち,間質性肺炎(肺臓炎)とそれに続いて起こる間質性肺線維症は膠原病に共通の肺病変であって,膠原病性肺臓炎ともよばれている.
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