今月の主題 肺癌—その理解と対処のために
肺癌にどう対処するか
服部 正次
1
1大阪府立成人病センター・医務局
pp.1744-1746
発行日 1975年11月10日
Published Date 1975/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206281
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
欧米の肺癌対策
昨年,筆者は2カ月間欧州各地を回った.各国の肺癌対策を調べて,わが国の参考とするのが大きな目的の1つであった.米国については,すでに調査済みである.ところが,肺癌王国である英国を訪れて,その無策なのに一驚した.もちろん,医師の禁煙は励行されているけれども…….
米国では20年前,The Philadelphia Pulmonary Neoplasm Research Projectといって,年2回X線間接フィルムの読影などをして,肺癌をみつけようとしたが,早期肺癌の発見には満足すべき効果がなかった1,2).現在,The Mayo Lung Projectといって.治る肺癌をみつけるために,細胞診を加えた調査集検が,正確に大々的に行われている3).これはNCI(National Cancer Institute)の援助を得て,1971年からはじあられたもので,これまでに,45歳以上の男性で,1日20本以上の喫煙者4,353名が検査をうけ,occult lung cancer9例がみつけられている.今後の成果が注目されている.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.