今月の主題 感染症としてのB型肝炎
HB抗原・抗体の臨床
小児のB型肝炎
小田原 真理子
1
1自治医大小児科
pp.1649-1651
発行日 1975年10月10日
Published Date 1975/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206253
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小児のB型肝炎の臨床症状は成人よりも比較的軽く,慢性化の傾向も少ないといわれていたが,乳児期についてはまだほとんど不明の点が多い.近年,B型肝炎とかかわりのある抗原蛋白のHBsAg,HBcAg,eAgの出現によって,これらを免疫学的立場から究明する手がかりが得られている.
ここでは,この抗原蛋白をとおして,小児B型肝炎における臨床像の年齢による特徴について述べると共に,従来,疾患の原因にB型肝炎ウイルスの経胎盤感染が推測されていた乳児肝炎(neonatal hepatitis)の問題,皮膚症状を呈する小児特有のB型肝炎(Gianotti病)が見出されていることなどについてもふれてみたい.
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