今月の主題 感染症としてのB型肝炎
HB抗原・抗体の臨床
劇症肝炎
太田 康幸
1
1岡山大第1内科
pp.1638-1641
発行日 1975年10月10日
Published Date 1975/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206249
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はじめに
劇症肝炎患者の実態を把握することは容易なことではないが,その資料としては,厚生省難治性肝炎研究班疫学分科会(重松逸造班長)1)が,昭和48年度に全国の病院を対象として,昭和47年度1年間の受診患者の概数調査を行い,ついで「症例あり」の施設に個人調査表を送付し,その回答によってまとめた成績と,小坂2)が全国内科学会指定の278の教育病院へ昭和44年および45年度の患者について,アンケート方式でしらべた成績との2つが,比較的信頼できる資料であろう.
重松1)のまとめによれば,わが国における年間あたりの劇症肝炎患者の推定発生例数は253×10例であり,筆者らの集計では,急性肝炎のうち劇症型が占める率は,3.85%であった.
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