今月の主題 甲状腺疾患のすべて
臨床的アプローチ
バセドウ病と妊娠
百渓 尚子
1,2
1伊藤病院
2慶大・内科
pp.1374-1376
発行日 1975年8月10日
Published Date 1975/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206178
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はじめに
バセドウ病患者は,受胎率が低いといわれるが,バセドウ病の好発年齢がchild-bearing ageであり,また甲状腺機能は抗甲状腺剤によって容易にコントロールされるので,バセドウ病の妊婦に出会うことはそれほどまれではない。このような場合の治療法として,わが国では,主として内科的治療が行われているが,抗甲状腺剤の胎児への影響が懸念されることや,産後の再発率が高いことなどの理由で,バセドウ病患者の出産に対しては,医師側が消極的であることが少なくない.
バセドウ病は,妊娠の経過にどれほどの影響をおよぼすのであろうか.また妊娠は,バセドウ病の経過に悪い影響を与えるのであろうか.胎児に障害を与えずに治療するにはいかにすればよいであろうか.
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