今月の主題 出血傾向の新知識
出血傾向の管理
輸血と血液製剤
山田 外春
1
1三重大第2内科
pp.950-951
発行日 1975年5月10日
Published Date 1975/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206047
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輸血と血液製剤輸注で止血される出血性素因は,主として血液凝固機序異常による出血性素因で,かつ凝血因子欠乏症の形をとるものが多い.その代表的なものは血友病A(第VIII因子欠乏症),血友病B(第IX因子欠乏症),von Willebrand病ならびに症候群,無(低)フィブリノゲン血症〔フィブリノゲン(第I因子)欠乏症〕および血管内血液凝固症候群(DIC)である.
輸血はこれらに対して通常すべてに有効である(ただしDICの際は慎重な態度が要求される).しかしこれらの出血性素因の多くは治療上補充される必要のある成分が,血液中の1つないし2,3にすぎないので,他の成分は受注者にとっては余分のものであり,これを抗原とみなしての抗体産生,それによる副作用,治療効果の減弱をきたすことがある.また血液製剤は保存性にすぐれ,常に院内保存が可能なため緊急時に有用であり,かつ製剤作成技術の進歩により,貴重な供血が無駄なく利用されるようになってきている.
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