特集 ウイルス肝炎
医療現場における輸血,血液製剤の使用に関する問題点と今後の課題
浜 六郎
1
1NPO法人医薬ビジランスセンター
pp.808-813
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100164
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医療現場における輸血の問題は,きわめて複雑多岐な問題を抱えている.大きく分けて,生体成分を他者の体内に注入する臓器移植としての側面(それによる免疫的反応)と,血液を介する感染症の問題である.
本特集はウイルス肝炎の特集であり,本稿では血液製剤の感染症を中心に,現場での使用上の問題点を述べる.
筆者は非A非B型輸血後肝炎の院内多発に端を発し,1980年から約10年間,医療現場で輸血後肝炎問題に集中的に取り組んだ.当時の輸血にかかわる問題がその後どのように解決され,2002年の血液新法の制定(2003年施行)を経てどのように解決されてきたか,あるいはまだ解決されずに残されているのかを見た上で,その後新たに発生してきた重要な課題についても考察してみたい.
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