Japanese
English
症例報告
動脈造影後急激に増悪したクリオフィブリノーゲン血症
Rapid progression of leg ulcer in a patient with cryofibrinogenemia after diagnostic angiography
高山 かおる
1
,
山本 俊幸
1
,
佐藤 貴浩
1
,
横関 博雄
1
,
片山 一朗
2
,
西岡 清
1
Kaoru TAKAYAMA
1
,
Toshiyuki YAMAMOTO
1
,
Takahiro SATOH
1
,
Hiroo YOKOZEKI
1
,
Ichiro KATAYAMA
2
,
Kiyoshi NISHIOKA
1
1東京医科歯科大学皮膚科学教室
2長崎大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, School of Medicine, Tokyo Medical and Dental University
2Department of Dermatology, Nagasaki University School of Medicine
キーワード:
クリオフィブリノーゲン血症
,
動脈造影
Keyword:
クリオフィブリノーゲン血症
,
動脈造影
pp.1101-1104
発行日 1998年12月1日
Published Date 1998/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902728
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60歳,女性.結節性動脈周囲炎の疑いで精査,加療中,急速に右足趾に壊死や足背に打ち抜き状の小潰瘍が多発.血管炎の悪化か血栓症による増悪か鑑別するため生検および動脈造影を行った.その結果前脛骨動脈,後頸骨動脈の途絶が確認された.側副血行路は足背にわずかに認められるにすぎなかった.病理組織では血栓がみられ,血漿中にクリオフィブリノーゲンが検出されたためクリオフィブリノーゲン血症による血管閉塞と診断した.造影後ワーファリン®投与を開始したが急速に右足趾全体は黒色化し,潰瘍も拡大した.造影剤による血管内皮細胞の障害や血液粘度の上昇が血栓形成を促し症状を増悪させたと思われた.末梢の重度の循環障害が疑われる場合の動脈造影は診断および治療上のメリットの有無を十分に熟考した上で,より慎重に行うべきであると思われた.
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