今月の主題 神経内科の動き
注目されている神経病
正常圧水頭症
米増 祐吉
1
,
北村 勝俊
1
1九大・脳研外科
pp.1415-1419
発行日 1974年11月10日
Published Date 1974/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205655
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初老期痴呆という診断で従来は放置されていた症例に,髄液シャント手術を行ったところ,奇跡的ともいえる著効が得られたことが,Hakim(1964),Adams,Hakimら1)(1965)により報告され,内外の注目を集め,経験例の報告もあいつぎ,現在では,正常圧水頭症(normal pressure hydrocephalus,NPHと略)という症候群として,神経内科,外科領域では広く認められるようになった.
不治の脳の変性とされていたものが,比較的簡単な手術により,ほとんど全治するという意味で,きわめて重要な疾患で,広く精神科医,内科医の認識が望まれるところである.
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