今月の主題 手術適応の問題点
特殊な状態における手術適応
糖尿病のあるとき
後藤 由夫
1
1弘前大第3内科
pp.1302-1303
発行日 1974年10月10日
Published Date 1974/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205617
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糖尿病患者で手術の実施を困難にし予後不良にしている理由
代謝リズムの変化 糖尿病の良好なコントロールは,規則正しい食事,運動および適量のインスリン,経口血糖降下剤の使用によってはじめて得られる.手術時には食事摂取量や運動量は当然制限されるので,糖尿病のコントロールが不良になるのが普通である.また薬剤投与も非手術時と同様に行なえないことが少なくない.インスリンが不足すれば糖尿病状態が悪化し,糖利用が極度に低下すればケトーシスが発生し,アシドーシスになるし,過量であれば低血糖の危険が生ずる.いずれにしても,どんな小手術であっても糖尿病治療スケジュールの乱れを招くことは避けられない.このことが糖尿病で手術実施を困難にしている1つの理由である.
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