Japanese
English
特集 糖尿病合併患者の手術と管理
糖尿病患者の病態生理—手術と関連して
Pathophysiology of diabetic patients:with reference to surgery
後藤 由夫
1
,
鈴木 研一
1
Yoshio GOTO
1
,
Ken-ichi SUZUKI
1
1東北大学医学部第3内科
pp.281-286
発行日 1986年3月20日
Published Date 1986/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209266
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糖尿病はインスリン(作用)不足による糖代謝異常を主たる病因とする多彩な病態群である.インスリン効果が極度に低下しているときには蛋白代謝,脂質代謝の異常も高度となり,負の窒素平衡による蛋白崩壊,脂質分解によるケトーシスも起こつてくる,一方,手術侵襲,麻酔などのストレスはインスリン分泌を柳制し,インスリンと拮抗するホルモンの分泌亢進を来たす.言いかえれば,糖尿病の病態に類似した代謝状態におかれることになる.したがつて糖尿病患者においては外科手術は,その代謝異常を増強し顕性化することになる.糖尿病の代謝異常の程度を良く反映するのは血糖値とケトーシスの有無である.手術の条件下でもこの2つは極めて重要な治療上の指針である.
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