今月の主題 手術適応の問題点
手術適応のカレント・トピックス
肝癌
水戸 廸郎
1
1北大・第1外科
pp.1242-1243
発行日 1974年10月10日
Published Date 1974/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205595
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癌外科治療の目標は5年生存率が50%以上に達することにあるとされる.肝癌の治療現況を全国57施設の集計報告でみると1),肝切除を施行しえた症例は手術対象の約1/4にすぎない上,手術死が21%,切除例の5年生存率は11%と,所期の治療目標からはほど遠い.
切除率が低く,かつ,再発死亡が多いことは手術対象が進行癌であること,手術適応に問題があるといわざるを得ない.胃癌治療成績の域にまで達するには,今一度,現在行なわれている各種の適応診断法を再検討し,かつ,適応基準を明確化する必要があろう.
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