今月の主題 腎疾患のトピックス
腎不全の問題点
長期透析療法の問題点—血管障害を中心に
三村 信英
1
,
原 茂子
1
,
鈴木 好夫
1
1虎の門病院・循環器科
pp.1136-1137
発行日 1974年9月10日
Published Date 1974/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205563
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長期慢性透析療法患者の尿毒症による死亡が激減した現在,治療上の問題点は合併症としての血管障害,カルシウム(以下Caと略す)代謝障害や末梢神経障害など,代謝異常に基づくものがあげられるようになった.
末梢神経障害は,多くの場合透析療法によって改善されるが,Ca代謝障害に基づく骨障害と軟部組織への石灰沈着は長期になるにつれて増強し,また血管障害は心筋硬塞,脳血管障害などによる直接死因と関係があり,今後の慢性透析患者の予後を左右する最大の問題点となるであろう.今回は透析患者の血管障害を中心にして,Ca代謝障害の一部分症状としてのvascular calcificationなどについて取り上げてみる.
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