今月の主題 肝硬変—今日の視点
肝硬変をどう扱うか
消化管出血の治療—外科の立場から
井口 潔
1
1九大第2外科
pp.888-889
発行日 1974年7月10日
Published Date 1974/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205490
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肝硬変症に起因する消化管出血としては,食道静脈瘤出血,胃十二指腸潰瘍,びらんよりの出血,末期重症例にみられるびまん性の消化管出血などが挙げられるが,外科治療の立場から,もっとも重要なのはいうまでもなく食道静脈瘤からの出血である.しかも,肝硬変性食道出血の頻度は近年急激に増加し,肝硬変症死因の1/3近くを占めるにいたっており,一方,治療面からみても,肝障害高度なため,その予後極めて不良であり,肝硬変症治療上,重要な問題ということができる.
したがって,外科の立場から,食道静脈瘤出血の治療について,具体的にのべてみたい.
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