今月の主題 高脂血症の意味するもの
血清脂質とその動き
④コレステロール
武内 望
1
1阪大・第3内科
pp.440-441
発行日 1974年4月10日
Published Date 1974/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205372
- 有料閲覧
- 文献概要
cholの動態については体内での合成(とくに肝),食餌性cholの吸収,および異化,排泄の3つの因子について考えなくてはならない(図1).
腸管よりの吸収機構 腸管よりのcholの吸収機構は図2のように,腸管腔内でエステル型は膵液,小腸液のエステラーゼで水解され,胆汁酸の作用でミセルを形成し腸壁内に取り込まれる.腸壁内では一部はエステル化され,他の脂質と一緒にリポ蛋白とともにカイロミクロンを形成して,胸管リンパを経て血中へ担送される.この際胆汁酸によるミセル形成が最も重要であり,カイロミクロンの形成がついで大きな影響を与える。chol吸収量は必ずしも摂取量に比例せず,摂取量が増加すると吸収率は低下し,頭打ちの状態になる.
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.