今月の主題 新しい臓器相関のとらえ方
臓器相関の概念
病態生理からみた臓器相関
宮沢 光瑞
1
,
滝島 任
1
1東北大・第1内科
pp.12-13
発行日 1974年1月10日
Published Date 1974/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205249
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はじめに
生体はそれぞれの機能を有する細胞,組織,臓器から構成され,互いに影響を及ぼし合いながら種々の内的,外的刺激に反応し,適応して全体関連性の下に生命現象を営んでいる.すなわち,健康であるためには,個々の細胞,組織,臓器が正常に機能することはもちろんであるが,全体の調和を乱さないことが必要条件となる.生体の自律性均衡は固定的でなく,相対的に安定した動的平役状態にほかならず,これが確保されるためには,臓器内,連続した臓器間,互いに離れた臓器間に相互に促進ないしは制約,協同ないしは拮抗する相関作用が必要である.この内部環境の恒常性homeostasisの破綻,正常な臓器相関の逸脱した現象が疾病と考えられる.
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