今月の主題 新しい臓器相関のとらえ方
主要臓器障害を中心とした臓器相関
呼吸器疾患と臓器相関
村尾 誠
1
1北大第1内科
pp.18-19
発行日 1974年1月10日
Published Date 1974/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205252
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呼吸器はガス交換を行なうと同時に,肺循環系を内包しているので,疾患時には呼吸と循環と相関した障害が生じやすい.肺性心,心臓性喘息,肺性脳症などの慣用語は,その相関を端的にあらわしている.呼吸と循環の相関は生命維持に必要なエネルギーを直接供給しているので,その異常状態は重篤であり,注目されやすい.
一方,胸部X線写真撮影は最も普及した診断手段の1つであるので,肺病変は内臓器官のうちでも発見されやすい.この発見しやすさのために,全身性疾患の部分現象としての肺病変が早期に証明される場合が少なくないことも特記すべきことであろう.感染症,アレルギー,膠原病および近縁疾患,腫瘍,先天性疾患に関連する肺病変に関する知識が,近年数多く積み重ねられている.
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