今月の主題 最近の老人病—臨床とその特異性
老人における非定型的徴候
甲状腺疾患
柁原 昭夫
1
,
殿岡 伸彦
2
1群大・第1内科
2群大・内科
pp.2054-2055
発行日 1973年12月10日
Published Date 1973/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205215
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高齢者における甲状腺疾患の有無は,各種甲状腺機能検査とさらに最近におけるradioimmunoassayの著しい発展により可能となったTSHやT3の測定により,他疾患との鑑別は比較的容易であるといえよう.しかしながら実地臨床では高齢であることから本来の甲状腺疾患にその他の疾病が合併していたり,また老人性変化により甲状腺疾患に特有な病態像が修飾されたりすることから、他の疾患との鑑別を困難にしていることも事実である.
ここでは筆者らの甲状腺外来で集計したデーターを中心に,高齢者の甲状腺疾患の中でもとくに甲状腺機能亢進症ならびに甲状腺機能低下症に重点をおいて述べてみたい.
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