特集 これだけは知っておきたい治療のポイント
XI 感染症
2.特殊な感染症の治療
腸チフス長期保菌者の治療
平石 浩
1
1都立豊島病院伝染科
pp.1996-1997
発行日 1973年11月20日
Published Date 1973/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205195
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腸チフスにおいて長期保菌者とは,放置すればおそらくは生涯にわたって排菌を続けるようなものをいう。本症に罹患後,ある期間排菌が持続するものがあるが,これが1年以上にもおよぶものはまず長期保菌者となる.その頻度は経過者の2〜3%とされている.長期保菌者の中には,本症罹患の既往歴を欠くものも少なくない.
排菌巣の部位としては腎,骨髄,気管支などもあるが,実際には大部分がふん便中への排菌者であり,そのほとんどが胆道系(肝内および肝外胆管,胆嚢)保菌者によって占められている.さらに,その大多数は胆石症を合併している.ここでは胆道系長期保菌者の治療について述べる.
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