治療のポイント
腸チフスの長期保菌者
平石 浩
1
1豊島病院・伝染科
pp.515-516
発行日 1966年4月10日
Published Date 1966/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201261
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「長期保菌者」について
治療の問題に入る前に,まずチフス性疾患における「長期保菌者」という語の意味を考えたい。
第一に排菌巣の種類であるが,だれしもまず頭に浮ぶのは糞便中排菌者であろう。このほかにも尿路,骨髄,扁桃,気管支などに排菌巣が存する場合があるが,これらは糞便中への排菌者にくらべるとはるかに少ない。このうちでやや多いのが尿中への排菌者であろうが,長期にわたるものはまれで,また諸種の薬物療法によつて治癒が比較的容易である。
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