特集 これだけは知っておきたい治療のポイント
I 循環器・高血圧
6.主として右心不全の原因となる心臓病の治療
先天性心臓病のとり扱い方
楠川 禮造
1
1天理よろづ相談所病院循環器内科
pp.1564-1565
発行日 1973年11月20日
Published Date 1973/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205006
- 有料閲覧
- 文献概要
小児期における先天性心臓病治療法については最近著るしい進歩を来たし,内科領域でみられる本疾患もこの影響により数年前に比べて,遭遇する頻度,治療内容も変化してきた.
表は過去7年間に入院した先天性心臓病153名を疾患別,その合併症の発生頻度をみたものである.疾患別では心房中隔欠損症が約40%を占め,以下心室中隔欠損症,動脈管開存症,ファロー四徴症,肺動脈狭窄症,その他である.その合併症としては心不全症が全体の16%を占めており,次いで肺高血圧症が7%,細菌性心内膜炎が5%である.全体の約26%が成人期においてなんらかの合併症を来たすことになる.以下,先天性心臓病の取り扱い方としてこれら疾患の手術適応の問題,心不全症,肺高血圧症,細菌性心内膜炎,およびその他の合併症の治療法について述べる.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.