特集 これだけは知っておきたい治療のポイント
I 循環器・高血圧
4.虚血性心臓病の治療
新鮮心筋硬塞をどう扱うか
町井 潔
1
1三井記念病院・循環器センター
pp.1548-1549
発行日 1973年11月20日
Published Date 1973/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204999
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一般的治療
病院への迅速な収容 心室細動などの重篤な不整脈の2/3は発症後5時間以内に発生するから,直ちにCCUを備えた病院に収容すべきである.移送には心電計,除細動装置を備えたmobile CCUが理想的であるが,医師が附添い,電池式心電計を備えていれば,これに代用できる.酸素吸入と静脈確保は必須である.移送前に50以下の徐脈があれば,硫酸アトロピン0.5mg〜1.0mg皮下注,心室性期外収縮に対してはキシロカイン50〜100mg静注を行なう.
鎮痛,鎮静 鎮痛には塩酸モルヒネ1筒10mgを皮下に注射する.10〜20分を経過しても効果がなければ更に10mgを追加する.静注するばあいには,1分間1mgの速度で緩徐に行い,効果が現われたら中止する.呼吸抑制,血圧低下,徐脈,悪心等の副作用予防のためには硫酸アトロピンをモルヒネ10mg当たり0.3〜0.5mgを皮下注するか静注する.ただし,アトロピンには頻脈作用があるので,心拍数80以上の時には併用しない方が無難である.
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