疾病の病態生理—最近の考え方・1
心筋硬塞
木下 直和
1
1大阪大学医学部第1内科教室
pp.110-113
発行日 1972年1月1日
Published Date 1972/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917569
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はじめに
欧米先進諸国における国民死亡の第1位は心臓病であり,そのうち主なものが心筋硬塞によるものであることはよく知られている.
いっぽう日本においても,国民の食事習慣や生活環境の違いから欧米にくらべ総数は少ないとはいえ,最近10年間の心筋硬塞死亡は年々増加の一途をたどっており,とくに70歳以上の年齢層における死亡率の増加は著しい.したがって心筋硬塞は成人病死亡の大きな要因を占めており,この対策は国民の健康維持にとって非常に重要なものである.以下に心筋硬塞の病態生理について,最近の考え方を解説していきたい.
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