検体の取扱い方と検査成績
穿刺液,分泌物の微生物学的検査
小酒井 望
1
1順大病臨床病理
pp.1482-1483
発行日 1973年11月10日
Published Date 1973/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204982
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材料のとり方
穿刺液 胸水,腹水,関節液などの場合,「無菌的に」皮膚を注射器等で穿刺してとるのであるが,皮膚の消毒が不完全であると,皮膚の常在菌(表皮ブドウ球菌,コリネバクテリウムなど)が混入する.穿刺部位にヨードチンキを塗布し,乾燥後アルコール綿で拭う方法が推奨される.不完全な消毒,不注意な穿刺は,穿刺液中に雑菌を混入し,原因菌の検出をむずかしくするのみならず,新たな感染を誘発することになりかねない.
採取した液は滅菌試験管に入れる.細菌検査のみならず,一般検査,細胞診なども必要とする場合は,検査目的別にそれぞれの容器に必要量を入れるべきで,1本の試験管に入れて,種々の検査を依頼するのはよくない.
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