今月の臨床 妊娠と薬物―EBM時代に対応した必須知識
妊産婦,授乳婦人での薬物の選択と投与法
12.抗がん剤
落合 和徳
1,2
,
中野 真
1,3
1東京慈恵会医科大学産婦人科
2東京慈恵会医科大学臨床腫瘍部
3佐々木研究所附属杏雲堂病院婦人科
pp.721-725
発行日 2003年5月10日
Published Date 2003/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100934
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はじめに
悪性疾患に妊娠を合併する頻度は,全妊娠の1/1,000~1/1,500程度といわれ1, 2),その中でも白血病,リンパ腫,乳がんなどが比較的多く報告されている3).抗がん剤と妊娠というテーマを考えると,抗がん剤の妊孕性に与える影響,母体の妊娠,分娩に与える影響,母胎内,出生後の児に対する影響,授乳に与える影響などさまざまな課題が上げられる.直面する問題は多岐にわたりかつ個々のケースによって状況がまったく異なるので,このような問題を解決するevidence levelの高いrandomized controlled trial(RCT)などを求めるのは極めて困難である.
本稿では,誌面の関係から「妊娠中の抗がん剤使用」について概説する.
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