特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
XV.小児科
4.小児の正常値
アルカリフォスファターゼ—成長と活性値
加藤 英夫
1
1順大小児科
pp.1487-1489
発行日 1972年7月5日
Published Date 1972/7/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204360
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生体と酵素の作用
生体内での物質代謝は酵素の作用によって支配されて,円滑に営まれている.それらの数多くの酵素は遺伝子によって生成され,またその生成が調節されている.
教室での酵素に関する研究成績および多くの内外の文献から考察すると,生体内の酵素は主として臓器内にあるが血清中にもある程度流れており,これらの活性値は動物あるいは臓器によってだいたい一定している.しかし正確にみると,臓器内あるいは血清中の酵素の活性値は胎児,新生児,乳児,幼児,学童,成人でかなり差異があるものであって,成長に従って変動するものであり,換言すれば成長,発育すなわち加齢(aging,老化)によって変動するものであるといえる.
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