特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
IV.肝・胆・膵
5.肝硬変,肝癌のきめ手
肝硬変
高橋 忠雄
1
1慈恵医大内科
pp.1106-1108
発行日 1972年7月5日
Published Date 1972/7/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204218
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代償されている肝硬変の診断
ほかのどの疾患でもそうであるように,進行完成された肝硬変の診断には,多くのばあい困難はない.しかし,いわゆる代償期の肝硬変では,かなり長い期間に亘って,自覚症状も乏しく,他覚所見にもすぐに診断につながるものが少ないので,診断はしばしば困難であり,見逃がされる可能性がある.他疾患で死亡した症例で,剖検で肝硬変の存在を,はじめて知ることがまれでないのは,このことを裏書きするものといえよう.以上の理由から,ここでは主として代償期肝硬変の診断について述べることにする.
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