Laboratory Practice 生化学 精査と治療に生かす検査データ
肝硬変
中野 博
1
,
高野 友爾
2
1公立豊岡病院
2公立豊岡病院消化器内科
pp.1104-1105
発行日 2001年8月1日
Published Date 2001/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905981
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はじめに
肝硬変は肝内に瀰漫性に広がる慢性炎症に起因する病態で肝細胞機能障害,肝内結合組織の増生と偽小葉の形成(肝細胞の再生)が特徴である.主な病因はB型,C型肝炎ウイルスの持続感染であるが,そのほか飲酒,薬物摂取,自己免疫機序による肝細胞破壊も成因となる.肝硬変の症状は肝実質細胞の機能低下,門脈圧亢進,肝内,および肝外にできた門脈と静脈循環系との短絡路形成が主な成因である.肝硬変は肝細胞機能の障害の程度によって代償性(代償期)と黄疸,腹水,意識障害などが出現する重症型の非代償性(非代償期)に分類される.
肝硬変は肝病変の終末像で,肝細胞の機能不全(肝不全),上部消化管の静脈瘤破裂による吐血,高率に合併する肝細胞癌が三大死因である.
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