症例
腎アミロイドーシス
廣瀬 賢次
1
,
土田 弘基
2
,
宍戸 英雄
2
1千葉大第1内科
2千葉大内科
pp.780-784
発行日 1972年6月10日
Published Date 1972/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204116
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アミロイドーシス(amyloidosis,以下「ア」と略す)は,全身の種々の臓器にアミロイドが沈着する疾患であるが,このうち腎の組織傷害は本症の60-90%に認められる1),2).この際その60%はネフローゼ症候を呈することが知られており3),4),外国ではネフローゼ症候群(以下「ネ」症候群と略す)の原因としても,「ア」は無視できない疾患となっている5).
しかるにわが国では,「ア」の頻度は総剖検数のわずか0.1%で,外国のそれに較べると少なく2),3),このため従来より「ア」は稀な疾患となっている.その上,本症の生前の臨床診断が困難であることも加わって,死後剖検によって始めて「ア」と判明する症例が多い.
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