今月の主題 最近の腎疾患の基礎と臨床
ネフローゼ症候群の臨床
腎アミロイドーシス
古山 隆
1
,
京極 芳夫
2
Takashi FURUYAMA
1
,
Yoshio KYOGOKU
2
1東北大学医学部・第二内科
2東北大学医学部・内科
pp.518-521
発行日 1980年4月10日
Published Date 1980/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216477
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はじめに
アミロイドーシスにおけるアミロイド沈着は,剖検例では全身の臓器に及ぶが,臨床的に問題になるのは腎,心,肝,消化管,末梢神経などであって,脾,甲状腺,副腎,膵などへの沈着は症状として捉えにくい.
本症の症状のうち,腎症状とくにネフローゼ症候群は頻度が高く,かつ目立つ症状の一つであり,それによる腎不全は心筋障害とともにアミロイドーシスの主要な死因である.これまで本症の生前診断は15%にすぎないといわれているが,腎障害を伴う例については,本症の多臓器侵襲性を念頭におけば,診断は必ずしも困難でない.
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