治療のポイント
薬物と腎障害
木下 康民
1
,
伊東 義一
1
1新大・第2内科
pp.754-758
発行日 1972年6月10日
Published Date 1972/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204110
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腎は大量の血液供給を受け,種々の物質を排泄するため,投与薬剤が腎を通過する機会が多く,腎障害が出現しやすい.腎毒性薬剤は多数あり(表),その作用部位は図1のように考えられている.一方,障害発現機序には,1)直接腎組織を障害(水銀,四塩化炭素など),2)免疫的機序(サルファ剤による血管炎など),3)機械的閉塞(サルファ剤析出による尿路閉塞),4)代謝障害(利尿剤による低K血に伴う尿細管障害),5)溶血などによる2次的変化,が考えられているが,実際にはこれらがからみあっている場合が多い.
最近経験した腎障害例を示し,薬剤の腎における障害とその対策を述べる.
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