診療相談室
Hydralazineの腎障害について
伊東 義一
1
,
木下 康民
1
1新潟大・第2内科
pp.86-87
発行日 1973年1月10日
Published Date 1973/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204570
- 有料閲覧
- 文献概要
質問 メディチーナVol. 9. p. 754で木下先生の「薬物と腎障害」を読み,たいへん参考になっておりますが,Hydralazineによる腎障害はHydralazineによるSLEによる二次的な変化にもとつく腎障害でしょうか.またHydralazineが直接作用して腎障害を起こすものでしょうか.もし後者であればその引用文献をお知らせください.(安城市 S生 35歳)
答 Hydralazineの腎障害については,Muehrcke1)によると本剤の作用部位は糸球体であり,その病変は糸球体腎炎で,その発症機序はhypersensitivityであると記載している.またKentら2)はhydralazine腎障害はacute proliferative glomerulo nephritisであると述べているが,いずれもその詳細については充分な記載がない.一方,動物実験で糸球体基底膜の肥厚を認めたとの報告もみられる3).
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.