全身性疾患と心電図・1
膠原病と心電図
土肥 一郎
1
1中央鉄道病院内科
pp.72-74
発行日 1972年1月10日
Published Date 1972/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203970
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膠原病としてまとめられるいくつかの病気では,心筋・心嚢に炎症が起こったり,全身の血管炎ないし血管病変の部分現象として心臓の動脈に病変が見られたりすることによって,心電図に異常を生じることがある.また膠原病のうちのあるものでは,肺にび漫性の変化が生じて,肺循環系の異常から心臓に間接的な影響が及んで,その現われが心電図の変化として読まれる場合もある.
教科書的な記載或を読むと,膠原病のどれにでも房室伝導障害とか左室肥大とか,いわゆる心筋の変化などを意味する心電図所見が出ることがあると述べられていて,何となく印象が稀薄な感がある.ここには,筆者が東大病院で20年,中央鉄道病院で6年の間に自分で観察した例のなかから,比較的印象の深かったものを2例とり上げて,経過を追った心電図の変化を説明することにした.
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