全国教室めぐり
広い視野から秀れた臨床医の育成を—神戸大・第1内科
福崎 恒
1
1神戸大第1内科
pp.1421
発行日 1971年8月10日
Published Date 1971/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203816
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昭和19年県立医学専門学校が創設され,医科大学をへて昭和42年神戸大学医学部へと発展したが,この間第1内科学教室は,主任教授が初代中院孝圓教授から現在の友松達弥教授へと受継がれ27年を経過し,教室も基礎固めの時代から飛躍の段階へ入った.先代中院教授が呼吸器病学,血液病学を専門分野として創設期を切り開かれたが,友松教授は新しく循環器病学を中心に教室の発展のため努力を傾注され今日に至った.
友松教授のモットーは,セクショナリズムを排し,家庭的な雰囲気の中に教室の総力を結集して臨床医学の発展に尽すことであり,自らを厳しく律することによって教室員の育成にあたられた.その間には大学紛争という波紋が投じられ,大学内に混乱の生じたことは否めないが,その中でも,教室の基本方針はゆるぐことなく貫かれてきた.ただ,新しい時代の要求に応え,正しい意味での改革には積極的な努力がなされ,教室内には予算委員会と就職委員会が設けられ,教室の予算と人事の両面で総意を反映した公正な運営が行なわれるなど民主化も大いに進められてきた.
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