臨床メモ
帯状疱疹(herpes zoster)の診断
依田 三郎
pp.1348
発行日 1971年8月10日
Published Date 1971/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203798
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帯状疱疹(以下HZと略す)の患者は,「神経痛ではないか」「虫に刺された」などといって来診することが多い。気やすくそれに同調し治療していると,とんだ恥をかくことがある.
診断には,前駆症,特有の神経症状,皮疹の性状,所属リンパ節の有痛性腫脹に注意する.詳しくは発症に先立ち,発熱,頭痛,局所の神経痛がある.神経痛は主に胸,頸,顔,腰,坐骨部などの片側に生じ,神経の走行に沿ってピリピリと走るような痛みがある.痛みは,大部分皮疹の現われる1-7日前に生じ,1-2週つづき,結痂,落屑と共になくなってゆく.老人の場合は激痛があり,皮疹が治っても2-3年は残っていることがある(ヘルペス後神経痛).
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