内科専門医のための診断学・18
白血病
天木 一太
1
1日大第1内科
pp.1110-1115
発行日 1971年6月10日
Published Date 1971/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203731
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白血病診療の現況
白血病の治療は近年著しく進歩しつつある.慢性骨髄性白血病,慢性リンパ性白血病,急性リンパ性白血病は,大部分の症例が緩解する.治療がもっとも困難な急性骨髄性白血病でも,うまく治療ができれば半分近くの症例で緩解がみられるようになった.緩解期間中は勤務,通学,家庭生活がほぼふつうにできるから,いまや,白血病は治療効果がもっとも著しい腫瘍である,ということができる.
古い考え方,白血病は始めから手術さえも不可能な,悲惨な腫瘍であるという概念は,改められなければならない.緩解の可能性がでてくると,どのようにしてうまく緩解に到達するかという問題がおこってくる.治療の成績を向上させるには,やはり早期診断が大切である.
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