臨時増刊特集 身体所見のとり方と診断のすすめ方
●身体所見のとらえ方
VI.胸部
3.心臓と血管
五十嵐 正男
1
1聖路加国際病院内科
pp.783-796
発行日 1971年5月20日
Published Date 1971/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203664
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循環器疾患に関する限りphysical diagnosisの技術は19世紀の後半に非常に発達し,20世紀に入ってX線診断や心電図診断法が発達するにつれてややなおざりにされた感じがあったが.心臓カテーテル検査法を始めとする各種補助診断法の発達とともにphysical diagnosisに定量的な病態生理的裏づけが与えられ,その正確さが増してくるとともに.その重要性が再認識されてきつつある.
実際上ポイントをつかんだ病歴と正確なpllysi-cal diagnosisだけで循環器疾患の90%は病変の種類や程度に関して正しい診断ができるのである.しかしこのphysical diagnosisも始めから誰もがもっている技術ではなく,すべて訓練の賜物であり,訓練次第でいくらでも正確になってゆくものである.
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