臨時増刊特集 身体所見のとり方と診断のすすめ方
●全体的な把握
III.生命徴候 vital signs
3.血圧
高階 経和
1,2
1神大
2淀川キリスト教病院循環器科
pp.728-730
発行日 1971年5月20日
Published Date 1971/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203644
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血圧の測定
血圧は,どんな体位においても測定できるが,標準の姿勢は仰臥位であり,心臓の高さにおいて血圧を測定しなければならない(図1).測定する血管の位置が心臓より低ければ低いほど,血圧は高くなる.
普通,外来においては,患者を椅子に坐らせて,1回だけ測定し(多くの場合,右か左の一側のみ)これを標準にして診断する可能性が多分にある.もし,外来において,看護婦が測定したものであれば,診察の一番最後にもう一度,仰臥位をとらせた時に血圧を測定しておけば,立位もしくは坐位と,仰臥位の間における血圧の差を見つけることもできるはずである.とくに眩量や失神発作を起こした症歴のある患者の場合や,高血圧,糖尿病,腎臓病のある患者の場合は,初診時のみならず,再診時も,注意深く,左右の肘前動脈の血圧の差や,立位・坐位・仰臥位などの体位の変化による血圧への影響や,下肢の血圧測定も行なうべきである.
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