臨時増刊特集 身体所見のとり方と診断のすすめ方
●全体的な把握
I.At a glanceの診断
4.消化器科の立場から
三輪 清三
1
1千葉大
pp.693-695
発行日 1971年5月20日
Published Date 1971/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203633
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およそ患者の診断には既往歴・現病歴にもとづいて現症をみるわけであるが,最も簡単でいつでもでき,しかもあまり誤差の少ないところの視診,触診あるいは嗅診などが,最近諸検査法の進歩分担制のためにややもすると軽視され易い傾向にあることは,まことになげかわしい次第である.
詳しい諸検査をやる前にまずこれら上記の診断法により大体の見当がついてしまうことが多い.ある場合には詳しい数字的の諸検査よりもむしろ精確である場合さえ経験している.しかしこのAt a glanceの診断というものには,やはりある程度の経験の積み重ねというものが必要となってくるので,何でもかでもこれで片づけることの危険性は十分心得ておかなければならない.
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