新薬の紹介
パーキンソニズム治療薬—L-Dopa
徳臣 晴比古
1
,
岡島 透
2
,
窪田 陽
2
1熊本大第1内科
2熊本大
pp.378
発行日 1971年3月10日
Published Date 1971/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203556
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パーキンソニズムの治療薬として,従来主に用いられてきたのは副交感神経遮断剤で,これに抗ヒスタミン剤,筋弛緩剤,精神安定剤などが補助的に用いられてきた.近年,神経学分野における生化学的研究の進歩により,本症患者の黒質,線状体など錐体外路系には正常人に比しDopamineの減少していることが明らかとなり,一方,動物において黒質を破壊すると線状体のDopamineが減少するという事実が証明されて,Dopamineの前駆物質であるDopaによる本症患者の治療が試みられるようになった.初めDL体の多量が用いられて,副作用も強かったが,L体分離により治療法が改善され,その優れた効果について諸家の報告がみられる.
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