洋書紹介
—R. Schön (Göttingen), A. Böni (Zürich) & K. Miehlke (Wiesbaden) 編—Klinik der rheumatischen Erkrankungen
佐々木 智也
1
1東大物療内科
pp.1825
発行日 1970年12月10日
Published Date 1970/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203439
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学問的に高く評価さるべきリウマチ学の書
現在のところ日本で比較的良く利用されているリウマチ関連のまとまった本は,アメリカのJ. L. Hollander編 "Arthritis and Allied Conditions",Lea & Febiger,(1967)と英国のW. S. C. Copeman著 "Textbook of Rheumatic Diseases",Livingstone(1965)とであり,共に英語国のリウマチ学教科書である.リウマチ性疾患に対する基本的な考え方は,各国の各学派ごとに差があり,戦前・戦直後までに教育を受けた医師にとって,これらの英語国の教科書はなんとなくなじみ難い点があった.ここでとり上げた本は,昔からの中欧風の考え方を発展させて書かれたものであり,ヨーロッパの高名な学者60名が執筆者に名を連ねている.フランスのCoste,DeSéze,Forestier,英国のBywaters,フィンランドのVainio,Laine,西ドイツのOtt,スペインのBarcelo,スエーデンのOlhagenなど,日本でも良く知られていると思う.
内容はリウマチ学の基礎をなす部門から,リハビリテーション,社会医学,さらに研究方法までに及び,疾患別にはリウマチ性疾患と誤られやすい疾患の項目まであり,詳しくみても落ちのない内容である.なりうるようで,この点は十二指腸潰瘍の場合とかなり異なる特徴と思われる.
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