臨床メモ
肝疾患と発疹
涌井 和夫
1
1東北大山形内科
pp.1828
発行日 1970年12月10日
Published Date 1970/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203441
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皮膚病変と肝障害との関係は,原則的には,(1)肝障害が皮膚病変の原因となる場合,(2)皮膚病変が肝障害の原因となる場合,(3)高位のNoxeの作用により,両者がともにおかされる場合の3つの場合が考えられる.(1)の場合に入るものには,クモ状血管腫,紫斑,黄色腫などがあげられ,(2)の場合には広範な急性湿疹,皮膚炎などで肝障害が来ることが引用され,(3)の場合には中毒性肝炎が,同時に原因薬物の薬疹をともなう時や,全身性紅斑性狼瘡の場合などがあげられよう.
このように分けると,明快極まりないが,皮膚発疹と肝疾患の関係が,常に上記の範疇に区別しうるとは限らない.むしろ,この区別の難かしいのが常である.
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